9月22日
さて、日本で事前に予約していた座席は窓際の二等席。エアコン付きだけど窓が開け閉めできない一等席よりも、この路線で断然人気が高いのがこの二等席。というのも、キャンディ~ヌワラエリヤ方面の高原地帯を抜けるこの路線は、広大な茶畑がのぞめる世界有数の絶景鉄道として有名なんである。
ちなみに、この鉄道はドアも常に開けっ放し状態であるため、乗客の皆さん、ドアから大胆に身を乗り出して思い思いに記念撮影を楽しんでいる。
私の通路反対側のインド人イケイケカップルはほとんどの乗車時間、席に落ち着くことはなく、座席にハンドバッグを放り投げ、さまざまなポージングで限界撮影に挑んでいた。なにかと危険がいっぱいのお二人だった。
開け放した窓からは爽やかな風が吹き抜け、眼前にはどこまでも続く茶畑。この景色が何時間も続くが、ずっと新鮮な気持ちで眺めていられるから不思議。そんなこんなで、あっという間の7時間。
下車したエッラ駅は、ここ数年、欧米の旅行者からとても人気の高い地域で、ひと昔ふた昔前のバリ・ウブドのような雰囲気。日頃の疲れを忘れてどっぷりとチルアウトしたい旅行者向けのリゾートが点在している。
私は迎えのトゥクトゥクに乗り込み、ここからさらに山の中を1時間。あたりはだんだんと暮れはじめ、不安になってきたころにやっと到着した。
挨拶もそこそこに用意していただいた素敵な部屋に荷を下ろし、ダイニングへ向かう。コロンボ在住のアメリカ人オーナー家族が滞在中で、一緒に夕食をとるはずがダイニングテーブルにはなぜか私ひとり分のライス&カレー。ほどよく暗い落ち着くダイニングで、この晩は猫と二人で晩酌を楽しんだ。
その7へ続く。
#CHOKKIのスリランカ買い付け出張記2023
2023年9月20日
古都・キャンディでの料理修行を経て、今日は次なる目的地であるウバの山奥に移動する。ウバといえば、さほど紅茶に詳しくない方でも耳にしたことのある紅茶の産地ではないだろうか。
ウバ茶はインドのダージリン、中国のキーマンに並ぶ世界三大銘茶のひとつ。標高1200mの岩肌が見えるような斜面で栽培されており、日中の高温と夜間の冷気のために霧が発生しやすい土地柄もあって、茶どころスリランカにおいても高級種として名高い。個性的な渋みと深い赤褐色の水色(すいしょく・お茶の色のこと)、そして爽やかなメンソール香が特徴的だ。
今回の目的地はそのウバからちょっと外れた山の中にある。
イギリス人、アメリカ人、イタリア人、ウズベキスタン人の4人の共同経営者が、持続可能なビジネスを目指して開業したオーガニック茶農園だ。
キャンディから茶農園の最寄り駅のエッラまでは、鉄道で約7時間の道のり。バッドゥラ行に乗り込む。旅のお供は、Sさんが持たせてくれたサンドイッチ(青唐辛子入りのツナサンド。このアイデア、私も真似させてもらおう)、売店で買ったバナナ一房、ワデーなど。スリランカのバナナは酸味が絶妙で私の大好物である。会食の予定のない時はいつ食事がとれるか分からない出張族にとっては欠かせない非常食なので、スリランカでは常にバナナを携帯している。
その6に続く。
#CHOKKIのスリランカ買い付け出張記2023
2023年9月17日
新しい先生もイニシャルはSさん。私の10歳下で、ご主人と高校生の息子さんとともにゲストハウスを経営しながら料理を教えている。私はSさんのところに宿泊しながら数日間みっちりと料理修行することになった。
この時、私はすでに数人の先生に師事し6年ほどスリランカ料理を学んでいたが、Sさんは最初からどの先生とも違う異彩を放っていた。トゥナパハ(ミックススパイス)の配合、野菜の切り方、濃度の違うココナッツミルクの使い分け術などなど。そして何よりもSさんが使っているスパイスのビビットな色と香り。バリッバリの極上品だということが見てとれる。
私がそれに感激していると、「気づいてくれた? スパイスにはこだわっているの」とSさん。聞けば、近所の村でオーガニック栽培された特別なものをホールで仕入れ、自分で挽いているという。
スリランカは国をあげてオーガニックを推進している。「国内の農業をすべて有機農業にする」という政府の壮大な計画は失敗に終わったものの、コロンボなどの都市部では年々オーガニック市場は拡大傾向にある。しかし、Sさんのように家庭規模でスパイス単体にまでオーガニックを貫いている人はあまり多くないと思う。
私の情熱が届いたのか、期せずしてSさんから特別にそのオーガニックスパイスを譲ってもらえることになった。キロ単位で仕入れたので、鮮度が落ちないうちに必要な方にお譲りできたらと思っている。
その5に続く。
#CHOKKIのスリランカ買い付け出張記2023
2023年9月15日
私のスリランカ料理の師匠・Sさんから、アフリカ某島国(聖子さんの歌にもなったところ)のホテルより仕事のオファーを受けたので近く赴任するという知らせが届いたのは今年1月。
「ごめんね。家族はスリランカに残るからあなたはいつでも泊まりに来て大丈夫。だけど料理はもう教えてあげられません」
私とSさんの6年にも及ぶ師弟関係はあっさりと終了した。私はまた新たな先生を探さなければならなくなった。
Sさんはホテルの調理場で働くプロの料理人だったので、次に習うならお料理上手な家庭の主婦がいいと思っていた。主婦だからこその自分の料理メソッドなどを持っている人ならなおよし。庭でスパイスを育てていたり、またはスパイスのオーガニック農園とつながりを持っている人だったらさらによし。そうなるとコロンボとかの都市部在住というよりは地方にお住いの方になるだろう。
”何か探しているもの、欲しいものがある時は条件を明確にしておく” それが私のモットー。そうすると引き寄せの法則で出会える確率がぐっと上がると思っている。そして今回も多分にもれず、私のピッタリの先生をスリランカの古都・キャンディ郊外に見つけることができた。
その4へ続く。
#CHOKKIのスリランカ買い付け出張記2023
2023年9月14日
今回は翌日から鉄道で東方面に移動するため、発着駅であるコロンボフォート駅から徒歩圏内のホテルをとった。
友人との待ち合わせまで、フォート地区をぐるりと散歩。フォートはオランダやイギリスが植民地時代に残した建物がリノベされ、新しいスポットに生まれ変わっている地域。歴史と文化が融合するコロンボ屈指のオシャレタウンなんである。
宿泊しているホテルの隣の通りには有名な紅茶メーカー・ディルマのショップ兼カフェがあるので、偵察へ。何か軽いものでも食べようと思っていたけれど、入店した途端に外はひどいどしゃ降りに。結局、雨宿りをするため、クレープのランチの他、紅茶、白茶、大きなバナナケーキ(スリランカのバナナはとっても美味しいのです)とすっかり食べすぎる。帰りに物販コーナーで万能砂時計を購入。ディルマ社のオリジナル商品なのだろうか、白茶、緑茶、紅茶、紅茶のストロングタイプなどなど様々なお茶の飲み頃を知らせてくれる優れものだ。
夕方からは、前回の出張で知り合ってから何かとお世話になっているスリランカ人の友人と近況報告会。
私がコロンボで一番好きなレストラン「ヌガガマ」に行くつもりだったが、案の定おなかに隙間がなく&雨のため(ヌガガマはアウトサイドレストランなので雨天時クローズ)予定変更。
友人が週3で通うオススメのカレー屋に行ったものの、私には激辛だったのでした。
その3へ続く。
#CHOKKIのスリランカ買い付け出張記2023
2023年9月13日
いまさらながら、スリランカ出張記2023。
CHOKKIの新しいライン、良質のルースティのみをパッケージングした、その名も「CHOKKI ORGANIC TEA」がこのほど満を持してリリースとなりました。
仕入れや修行で行き来しているスリランカで、ついでに良い茶葉が手に入れられたら一石二鳥だと気づき、”有機栽培を行っている単一農園”に的を絞り、ネットサーフィンすること数か月。スリランカ屈指の茶どころ・ウバの山奥の農園にたどり着き、交渉を重ね、店主自ら現地に買い付けに行ってまいりました。
希望したすべての茶葉が手元に揃うまでは紆余曲折あったものの、今は芳しい新茶の香りに包まれながらあの美しい茶畑を思い、日々満ち足りた気持ちでパッケージングしています。
暑い盛りに茶葉の販売なんて…と自分で自分にツッコミを入れながらのスタートでしたが、暑い時だからこそ日々の冷房や冷たいものの摂取で内臓が冷えている人が多いはず。国際中医薬膳師として温かいお茶で身体をケアする重要性を伝えたかったのです。
そしてせっかくなら、私がどのようにしていつも単身でスリランカをめぐっているのか、興味のある方に届いたらと思い、出張記を残すことにしました。
前置きが長くなりました。というわけで3年半ぶりのスリランカ。
リスケにリスケを重ねたため、いつものシンガポール航空がとれず人生初のエアインディアを予約。座席がぼろい、ディレイが多い、水回りが汚いなどなどの悪評におののいて今まで避けてきたけれど、機内食はおいしいし、心配していたディレイもなく、結果的にはなかなか良かったです。
さて、エアインディアでまずは経由地であるデリーまで。6時間のトランジットを経て、深夜2時にスリランカ・コロンボに到着。まとわりつく湿気と匂いが懐かしい。やって戻ってこられたという万感の思い。
迎えの車に乗り込みホテルへ。この日は昼過ぎから現地の友人と待ち合わせなので、早々に休む。
その2へ続く。
♯CHOKKIのスリランカ買い付け出張記2023
2018年11月29日(木)
気づけばかなり久しぶりのブログ更新になってしまいました
(-_-;)
秋のイベント出店ラッシュも終了し、遅ればせながら今年も
「冬の養生ブレンド」の販売をネットでも開始しました。
昨年、ブレンド内容をマイナーチェンジして、よりスパイシーな味わいになり、お客様からも「さらにポカポカするようになった!」などなど嬉しいお言葉をいただいております。
また、ブログでのお知らせが遅くなってしまいましたが、
以前からたびたびお問合せいただいておりました、オーダーメードブレンドの受付を今月より開始いたしました。
既存のブレンドではなく、お客様ひとりひとりのお悩みに沿った薬膳茶を、カウンセリングした上で調合いたします。
ご注文は当webサイトの「オンラインショップ」からお入り
いただき、一番下までスクロールしていただいたところに
ございます。
ご注文前のご質問等もお気軽にお送りくださいませ。
2018年3月30日(金)
あっという間に年度末ですね!
さて、今日は新しいイベントのお知らせです。
来たる5月20日、「メゾンふたご座」と題して
CHOKKI初めての主催イベントを開催することになりました。場所は、西武新宿線鷺ノ宮駅から歩いて6分ほどのステキな古民家をお借りします。
いつか小さなイベントを
都内で開催できたらいいなぁ
私のお気に入りを集めた
セレクトショップのようなもの
とここ数年ずっと思い描いていたことが、
さまざまな協力者のおかげでついに形になりそうです。
都内の方も、そうじゃない方もぜひぜひ遊びに来てください^^
:出店者:
Rucca 天然石アクセサリー&リーディング
ひつじ☆ブックス 古本のセレクトショップ
tunegu candle 手ごねキャンドル教室
中澤永子 ポストカードとZINE
そよかぜ雑貨店 世界の土産物&民芸品
旅する薬膳カフェCHOKKI 薬膳茶とカレー
2018年2月27日(火)
早いもので、明日で2月も終わりですね。
花粉症の方はそろそろ症状が出始めている頃でしょうか。
1月から2カ月連続で開講させていただきました大倉山「Earth Feel」さんでの「はじめての薬膳レッスン」。2回目の2/23は「花粉症ケアのおはなし」と題しまして、症状別のオススメ食材や過ごし方のポイントなどについてお話させていただきました。
前半は座学で、後半はお好きな茶材を使ってオリジナルの薬膳茶作りのワークショップ。
みなさん、とても楽しそうに作られて私も嬉しくなりました。
今回、この講座のお話をいただいた時は、話下手な私に務まるのか不安もありましたが、なんとか無事に2回の講座を終えることができ、今はホッとしています。
そして、このたびご縁がありまして、同じく大倉山のギャラリーカフェ「夢うさぎ」さんにて、新たにCHOKKIの薬膳茶をお取り扱いいただくことになりました。
「夢うさぎ」さんは曜日によって営業される方が変わるレンタルカフェスペースで、CHOKKIの薬膳茶は今月はじめから物販コーナーに置いていただいています。お茶のラインナップも季節ごとに変えていく予定です。お近くの方はぜひ足をお運びくださいませ。
2017年12月22日(金)
すっかり年の瀬! 気づいたら2017年も残すところあとわずかとなりました。
皆さんにとって今年はどんな一年でしたか?
CHOKKIは今年、数年来の夢であった薬膳カレーのケータリング部門を立ち上げることができました。また、移動式カフェとしての出店依頼もたくさんいただき、非常に実り多き一年となりました。
そしてありがたいことに、「もっと頻繁にCHOKKIのカレーや薬膳茶を楽しみたい」とのお声をいただく機会も増え、来年は月に一度か二度、定期的にどこかでカフェ営業を実現できたらと思っております。準備が整いましたら、またこちらでご案内させていただきますね。
さて、ここからは2018年のお知らせです。来年また新たな挑戦をさせていただくことになりました。
このたびご縁をいただき、いつも魅力的な講座を開かれている横浜・大倉山の「Earth Feel」様にて、1月より「はじめての薬膳レッスン」と題したビギナー向けの薬膳講座をスタートいたします。
以下、詳細をご覧くださいませ。
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第1回 1月26日(金) 14:00~16:00 料金3500円
「冬の食養生を学ぼう&オリジナル薬膳茶作り」
薬膳ってなんだろうという基礎的な内容から
ご家庭で気軽に取り入れていただける食養生
のポイントについてお話させていただきます
〇〇〇〇〇
第2回 2月23日(金) 14:00~16:00 料金3500円
「花粉症ケアのおはなし&オリジナル薬膳茶作り」
本格シーズンはまだ先ですが、早めの対策で
花粉症に負けない身体を作りましょう。今か
らできるケアについてお話させていただきます
ご予約 「Earth Feel」ai675ohai@gmail.com (ai) または、chokki.foodtea@gmail.com まで
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かんたんな座学と薬膳茶作りのワークショップをミックスさせた、ニュータイプの薬膳講座です。
いずれもウエルカムドリンク、お持ち帰り用薬膳茶2包、薬膳スイーツ&ポットサービスの薬膳茶が
付きます。
皆様のご参加をお待ちしております!!
2017年12月5日(火)
今年も12月1日より冬季限定の「冬の養生ブレンド」の販売を始めました。
ケニアの山麓で農薬を使わずに育てられた紅茶をベースに、長野産ドライアップルやクローブ、ブラックペッパー、スリランカシナモンなどの薬膳素材をふんだんに盛り込んだスパイシーな薬膳茶です。飲んだ瞬間からおなかがポカポカになり体がじんわりと温まります。
ニ煎目はティーパックを牛乳で煮出し、チャイとしてお飲みいただいても^^
無料にて簡単なラッピングサービスも行っておりますので、年末年始のギフトにいかがでしょうか。
オンラインショップよりお求めいただけます。
店主・そよの
2015年12月7日(月)
この12月で、薬膳Food&Tea CHOKKIは活動1周年を迎えました。
今後はより多くのお客様にご利用いただければという思いから
現在、webショップ開設の準備を行っております。
ご利用いただけるようになりましたら、改めてこちらでお知らせさせていただく予定です。
ご不便おかけしますが、いましばらくお待ちいただけましたら幸いです。
店主・そよの